珈琲はカフェオレ派

ミルクは多めで

アイネクライネ

 

 

ameblo.jp

 

あと560日で、推しが卒業する。
正直まだ、受け入れられていない。

 

己を取り巻く理不尽な環境も、現場のためなら頑張れた。

遠征の前日は面倒くさがりつつ荷造りして、緑色のキャリ―ケースに荷物を詰めた。
退勤とともに駅に向かえるようにキャリーケースを車に積んで出勤した。
仕事におしゃれな服を着ていくと会社の人に詮索されるから、
駅に着いたらサッと着替えられるようにたくさん着こんだりした。
仕事終わりの現場はなんだか少し悪いことをしてる気分になってちょっと楽しかった。(ちゃんと申請出してるから悪いことはしていないけど)

 

ぜんぶぜんぶ、貴方に会うためだった。


あと560日で、推しが卒業する。

 

その日は珍しく残業しようと決めて、
使うフォルダをデスクトップいっぱいにして
(よし、やるぞ!)と意気込んだ時、机に置いていたスマホが震えた。
そのあと退勤するまでの記憶はない。
急いで使うはずだったフォルダを閉じ、鞄を取った手がガタガタと震えていたことだけ覚えている。

 

あと560日で、推しが卒業する。

 

車に乗り込んだタイミングで、グループ通話開始の通知がきた。
同じ人を近しい熱量で推している、同じ名前の友達が始めた通話。
すぐに参加ボタンを押した。名前を呼ばれた。
現実なんだと、これは夢じゃない現実なんだと脳が理解した。
続々と仲良しのオタクたちが集まってきた。
涙が出た。涙が拭えぬまま年甲斐もなく大泣きしながら車を走らせた。

 

自分が何に対して泣いてるのか、分からなかった。

 

あと560日で、推しが卒業する。

 

武道館に行った時、MeseMoa.はどうなるんだろう、
次はどこを目標にするんだろうか。
ずっと心の中にあった。

 

10周年ツアーの各会場で色んなメンバーが泣いていた。
ファイナルの立川公演で武道館に立つことが発表されたときも皆泣いていた。
嬉しいと思う心の内側ではどこか違和感があった。
パシフィコ横浜幕張メッセの発表とは違う不思議な感覚。
気にしすぎな自分の性格がきっと勝手に不安になっているだけだ、そう願っていた。

 

あと560日で、推しが卒業する。
 


なんだか腑に落ちた。
そうか、いなくなっちゃうのか。
でも、卒業だとは思っていなかったな。

家の鍵を閉めないことも、
yogiboの上に洗濯物を置いて座れないことも、
お気に入りの椅子を買ったことも、
新年には家族で初詣に行くことも、
自炊レベルがどんどん上がっていることも、
あとは、私の想像以上に緑推しのことを大切にしてくれてるみたいだってことも。
このコロナ禍でたくさんのことを知れたのに、卒業することは知らなかった。

推しには誰よりも最高に幸せになってほしい。
やりたかった仕事を辞めてまでアイドルの道を選んでくれた彼には、
たくさんの幸せを掴んで欲しい。その気持ちは変わらない。
ずっと己の信念としてある。

 

でも寂しい。寂しい。さみしい。
いなくなっちゃうのは、やっぱりさみしいよ。

 

 

あと560日で、推しが卒業する。

 

 

いやだな。って思った。
でも、卒業に対していやなわけではなく、
もはや何に対していやだと思っているのか分からなかった。
なんでこんなに大好きになってしまったんだろうと思った。
いっそ出会わなければよかったとさえ思った。

 

でも、楽しかったことばかり思い出した。思い出すのは推しや友達の笑顔ばかりだった。

 

彼に出逢えたから変わる己の価値観もあった。
彼のおかげで一生仲良くしたいと思える友達ができた。
彼がいたから見知らぬ場所へも行くのが楽しくなった。

 

あと560日で、推しが卒業する。

 

 

先週の撮影会のとき、少し自分の仕事の話をした。
転職のため今の仕事を退職しようとしていることを伝えた。
転職先で武道館の日に休みがとれるように逆算して会社を辞めようと思ってると言った時、推しは関西弁みたいな言葉で

「○○(私)、ずっと大変そうだったからよかった。武道館のほうが○○にとって大事やもんな!」
そう笑いながら言ってくれた。


あまり大変だってことは伝えたことはないのに、貴方は私と違ってよく気づくね。
私は全然知らなかった。貴方がいなくなること。

 

あと560日で、推しが卒業する。

 

私の世界はいつだって私の好きなもので溢れている。
ここ数年その中心にはずっと彼がいた。
彼が笑っていたら私も楽しいし、彼が悲しんでいたら私も悲しい。

烏合之衆のサビで真ん中で8人に囲まれて楽しそうに踊る姿がふいに浮かんだ。
1年半後には、見られないんだと思った。

いやだな、って思った。



本当に私は自分の価値観でしか生きられない愚かな人間だから、
男性アイドルに卒業はないと勝手に、すごく勝手に思い込んで安心していた。
ずっとステージに立つ姿が見れると思ったし、それをずっと見ていたかった。

 

あと560日で、推しが卒業する。

 

私はどうしたらいいんだろう。と考える。
1年半後、最小限の後悔で済ませたい気持ちはあるけれど、
1年半後にフォーゲルというアイドルは消えてしまう。
もともと当たり前に他人だけれど、他人と呼ぶには情がありすぎる。
知らなかった頃のような熱量で足を運べるのだろうか。

何をするにも残りの時間を気にしてしまう。それは耐えられない。
推し事を義務にしたくない、これはずっと肝に銘じてる自分との約束だ。
でもこれは義務なんだろうか。
推しのことは大好きで、嫌いになったわけではない。だから困ってしまった。
こんなにも大好きなのに、どうしてこんな気持ちになるんだろう。
まだいなくなったわけではないのにずっと寂しい。心の中にぽっかりと穴が開いたような気持ちになった。

推しは推せるときに推せ、と言うけれど、私は自分なりにたくさんの場所に行ってたくさんステージを目に焼き付けて全力で推してきたつもりだった。
これ以上どうすればよかったんだろう。1人になるとずっとだめで、涙が止まらなかった。

 

あと560日で、推しが卒業する。

 

昨日の撮影会は笑顔で話すことができた。推しは格好良くて可愛くて、元気でいてくれた。楽しかった。
無事にブースから出てきて帰ろうと思ったら、ちょうど終わった友達が声をかけてくれた。
「泣かなかったよ」ってその子に言った瞬間我慢していた涙がこぼれた。
これから現場が終わる度、今日みたいに楽しいって思いながら寂しさを抱えて帰るんだろうか。
やっぱりどうすればいいのか分からなかった。

 

あと560日で、推しが卒業する。

 

推しのことすらちゃんと分からなかった私には、
明日のことがどうなるかなんて分からないけれど、
今痛いくらい幸せな思い出が、いつか来るお別れを育てて歩くように
1年半後のお別れに向けて私は過ごしていくんだろうか。

 

 

何もかも見たくないと勢いでTwitterのアカウント消して(いろいろな人に心配されましたまじでごめんなさい)ブログをぽちぽち書いていたけれど、撮影会を終えてお気持ちだけ供養しておきます。


www.youtube.com