珈琲はカフェオレ派

ミルクは多めで

好きな踊り手が大好きなアイドルへ変わった話

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本題に入る前に少し私の話をしようと思う。

2018年8月、世間はそろそろお盆休みへと入る頃、約5年間応援していた若手俳優が炎上した。

それまで足繁く舞台に通い、イベントにも足を運び、いつか帝国劇場に立つその日を、その姿を、ずっとずっと夢見ていた。

燃えた。と言っても軽いボヤ程度、いつもなら聞き流せるレベルの些細な出来事だったはずだった。
でも、その瞬間、私は積み重なる何かに押しつぶされた。

「推す」という行為が苦しくなり、息苦しくなった私はオタク人生の中で初めて悩み始めた。

私のこれまでのオタク人生は別に語るほど濃いものではなかった。

熱しやすく冷めやすい。
これが自分の趣味を客観視したときの感想だ。

ハマればあっという間に没頭するが、気持ちが冷めればあっさりと離れてきた。
でも推しはそんなオタク人生をがらっと変えた人だった。
どんなに苦しいときでも心の支えだった彼は、簡単に降りると決断するにはあまりにも濃すぎる時間を過ごしてしまったのだった。

大好きで生きがいだった場所を離れるか、
それとも我慢してまた推したいと思う時を待つか。

ここ数年で一番悩み、毎日のように泣いていた。

 

 


 

楽しみで仕方なかったお盆期間に立つ舞台のチケットもその先のチケットも顔を見たらどうにかなりそうで行く気にならず、全て譲りに出した。

現場もなければこれといった予定もない。
そんな泣いてばかりいた限界虚無オタクが迎えたお盆休み。

 

あらゆるSNSを開けば推しに対する誹謗中傷が嫌でも目に入り、ファンクラブサイトも見る気がしなかった。
SNS以外の何かで気を紛らわそうとPCを開いたところで、そういえばにゃいにぃって新しい動画あげてるっけ?とふと思い久しぶりにニコニコ動画を開いた。

 

私は昔から生粋のニコ厨で、先生と僕を始め某ランキングから派生した踊り手をよく見ていた。
中でもにゃいにぃが好きだったので、踊り手としてのフォーゲルさんの存在を知るきっかけになったのはこの動画だった。

 

 

当時から新作が出ればチェックしていたものの、
"好きな踊り手"として応援していた。

 

むすめん。もその某ランキングから恋愛ハンターで知り、一視聴者として動画が更新されていくたびに見ていた記憶がある。

 

身近に思いの外ファンがいたりして学生の頃から知っていたものの、当時から推しのことを追っていたこともあり、現場に行くことはその当時全く考えておらずたまに動画を見たりする、茶の間ですらないただの視聴者だった。

 

そんな中、偶然ニコニコ動画で検索をしたとき目にした「MeseMoa.」という名前。

そういえばむすめん。って名前変わったんだっけ?と思い、軽く見るつもりで再生ボタンを押した。

 


 

「あれなんかますます格好良くなってない・・・?!」

 

一度気になったら最後、基本的にオタクはチョロい。

そこからあれよあれよと一日中動画を漁る日々。

パワーアップしたダンスや曲をもっと聴きたいと思うだけでなく、日常の彼らも見たくなって気づけばYouTubeチャンネルまで手を出していた。

楽しそうな彼らを見ている間だけは推しのことを忘れられた。

 

中でもMuddyWaterのダンスソロ動画に目が離せなくなったのは今でも鮮明に覚えている。

 

 

もっと彼のことを、彼らのことを知りたいと思った。

まるで飛び込みたくなるような透き通ってキラキラした海を見ているようだった。

 

ブログやTwitterを読み漁りながら、たくさんの情報を色んな媒体や方々から吸収して、多くのことを知っていく感覚。


新しいものを知ることは結構体力を消費するんだなとしみじみ思ったりしながらも久々に楽しいと思える時間だった。

 (推しの変動はカメラロールで分かると言われるが、その言葉のとおり8月はある日を境に99%フォーゲルさんしかいなかった。)

 

お盆休みが終わる頃にはもう、推しを見て泣くことは少なくなっていた。

そうして転げ落ちるままにFCに入会し、初めて肉眼で見た姿はTDCホールで行われたMaze No.9ツアーファイナル公演


当時の私は現場ド新規中のド新規。楽曲しか知らない、動画の中でしか彼らのことを知らない一視聴者だった。
コールも振りも何もかも知らなかった。

それなのに心から楽しかったのだ。
そして、周りもメンバーも本当に楽しそうで広い会場が一体となって盛り上がっていた。

ステージ上で歌って踊るフォーゲルさんはときに凛々しく、ときに可愛く、ときに美しく、たった数時間のステージで様々な顔を見せてくれた。

踊り手ではない、アイドルとしての彼がそこにいた。

目が離せなくなってふと気づけば涙が止まらなかった。

公演が終わったあと、MeseMoa.のことを、そしてフォーゲルさんのことをアイドルとして大好きになっている自分がいた。

 


 

私が好きだった若手俳優は、良くも悪くも完璧な人だった。 

舞台映えするルックスとスタイル、歌もダンスも演技も少し練習しただけでなんの癖もなくそつなくこなしてしまう。
プレッシャーに強くて自己評価も高く、自分自身に絶対的な自信がある人だった。
自分のことを器用貧乏な人だと笑いながら話していたことを今でもなお覚えている。

そんな彼が、ずっとずっと大好きだった。


でも私が逃げ込んだ先にいたのはそんな彼とは真逆の人だった。

9人組ボーイズグループMeseMoa.の緑担当
愛されゆるふわ個性なしと謳うフォーゲルという男。

そんな『愛されゆるふわ個性なし』なフォーゲルさんの持ち味はしなやかなダンスはもちろんのこと、愛される人柄、そしてアイドルらしくないアイドル性だと思っている。

 

 

男らしい顔つき、真っ直ぐな歌声。
優れた体幹と運動神経からなる丁寧なダンスはもちろん、犬っぽくて素直な性格の割に秘密が多くミステリアスな一面があったりする人。

とにかく挙げだしたらキリがないくらい個性がある。


そして、あんなに格好良くて可愛くて実力も申し分ないのに彼は自己評価が低い。それはそれはもう低い。


アイドルなのに自己評価が低いとは・・・?と思った。それと同時に不器用な人だなとも思った。


でも良い意味でアイドルらしくない彼が身を削りながらも全力でアイドルという職を楽しんでいるアンバランスさ。


惹かれた、どうしようもなく。 
今まで出会って好きになったどんな推しよりも泥臭くて人間らしくて、一生懸命な人だった。
個性なしと謳うくせに自分に無いものを沢山持っていた。
すべてが眩しくて、キラキラしていて、何よりステージに立つフォーゲルさんが本当に楽しそうだった。

なんて楽しそうな顔で踊るんだろう、
なんて一生懸命な声で歌うんだろう。


純粋にこの人を応援したいと思った。
この人が見る未来をおこがましくも一緒に見たいと思ったのだ。


それと同時に、推しに対していつの間にか抱いてしまった『推さなきゃいけないのに』『好きでいたいのに』という義務めいた勝手なオタクのエゴから解放された気がした。

 


 

私は欲張りな人間なのでもっと早くにハマっていれば、現場に行っていればと思う気持ちが正直ないといえば嘘になる。


でも結局自分の気持ちを動かせるのはそのタイミングや状況、自分を取り巻く環境が綺麗に噛み合ったときだと思っていて、少しでもズレたら何か別のものにハマっていたかもしれない。

きっとこの年齢、このタイミングだからこそMeseMoa.を、フォーゲルさんを推したいと思えた、それだけのことなんだと思う。

 

MeseMoa.に出会えてから今日まで自分でも驚くほど充実した日々はずっと楽しくて、とても幸せな時間を過ごしている。

1年前の今日、私はあなたを好きになれてよかった。

 

 


 

今日でちょうど元推しを離れて1年経ったので、盆だし1年前の魂帰ってくることだし、自分の中での一区切りとしてぽちぽち打ってたら間にパシフィコやら聖誕祭があったおかげで感情を処理しきれずに文章が滅茶滅茶になるという・・・。

 

どんどん自信がついて輝きを増していく9人の天辺のその先がどんなものになるのか楽しみで仕方ないし、武道館でスポット浴びて踊るフォーゲルさんを見るまでは絶対にしねないなあ〜!!!!

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可愛い